IMAMURA-BUNSYOU

今村文章〜感性の文字起こし〜

健康一番

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3月11日は震災の日でもあるが母ちゃんの命日だった。

随分昔の出来事のように思えるが4年前の出来事だ。

日々の慌ただしさは時の流れを早める。

4年前から俺は何か進化したのだろうかとかも思ったりする。

人の死について公の場で詳しく書くのは辞めた。

親父の時は看取りを詳細に記録し文章にした。商売にするつもりなく描きたかったので書いた訳だが、悲しみの要素で自己表現するのはなんか違うなあなど思うようになった。

勿論、魂が揺さぶられたが故にそれを文章やら音楽などにするのだが、悲しみの共有はリアルな体験でこそなされるもんやと思うようになった。

震災関係のテレビなどを見ていると絆だ思いだと騒ぎ立てる様に嫌気がさす事もある。

悲しみってのはそっとひっそりとそれぞれの人の心におり、それは秘密のように大事ななんとも言えんもんでエンターテイメントにするべきではないと思っている。

しかしながら絆だなんやと騒ぎ立てた上で歌われる歌やら演奏にグッとくる事もある。

人の気持ちってのは純粋なもんであって、純粋な気持ちの人が奏でる音楽ってのはイイもんやと信じたいってのもある。

 

さて、そんな中俺は風邪をこじらせたようだ。

3月11日は仕事だったのだが、職場で寒気が止まらず

「こんなもん風呂入って熱燗の無茶苦茶熱いバージョン(飛びきり燗と言うらしい)飲んで寝りゃあ治るだろうが」

とその通りにしたら悪化した。

そんな夜、夢に母ちゃんが出てきた。

〜夢の中〜

実家に帰って6畳の部屋。寿司でもとろうと弟と話をしてどっちが金出すかみたいな話をしていた。俺は財布を見たら3000円しか入ってなかった。

弟は7万持っていたので

「兄貴としてここは全額寿司代を出したい気持ちはあるが3000円しかない」みたいな事を言った。夢の中でも相変わらず金が無い。

そんなやりとりをしていたら母ちゃんがガマ口を空けて2万円出して

「これですし桶2つくらい買ってきなさい」

と言った。

それだけの夢だった。

それだけの夢だったが俺は母ちゃんに会えて嬉しかった。

変な時間に目を覚まし風邪をこじらせた俺を心配してくれているのだろうと勝手に解釈しまた寝た。

 

次の日の朝になっても調子は戻らず会社を休んだ。

年に一回くらいある。

コンビニで千里眼のラーメンを買って食い一日中寝たら治った。

具合が悪いと何もやる気にならない。

年に一度くらいだが体調を崩す度に健康一番やなと思う。

全人類の99%ぐらいが思っているだろうが本当にそう思うのである。

 

3月13日

今日は朝から絶好調だった。

雨の中傘をさす子供をみて曲が浮かんだり

遊びで柴田善臣単勝馬券を買ったり

新しいフレーズが浮かんだりした。

健康一番

って曲ではないが近いうちにみなさまをビックリさせたいななどと思っている。

 

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雨音のリズム

雨音のリズム

2013年に作曲。バンドも辞めてソロ活動を軌道に乗せたいと思っていた頃だ。

レコーディングの機材と言えばハンディレコーダーのH4nと3万円で購入したウィンドウズパソコンだけだった。

編集ソフトを買う金はなかったが、フリーの編集ソフトを多数組み合わせ録音したのを覚えている。

当時の俺は思いついたアイデアを曲にして映像つけてユーチューブにアップする事に没頭していた。

一人でお金をかけずどこまでできるかにチャレンジしていた。

曲のアイデアも架空のバンドをイメージしドラムは打ち込み、ベースとギターは自身で弾いた。

最も新しいアイデアが湧いていた時期であり、この年には「フラッシュバックソング」「雨が上がれば」「夏が終わる」「紫陽花」などの、今もライブで歌い続けている曲がボコボコと誕生した。

当時、友達の中島キオ が組んでいたLOCAL K.Kっちゅうミクスチャーバンドを観に行ったのだが、その時彼がギターで奏でたフレーズがとても印象的で家に帰って練習した。

そのギターフレーズを丸パクリした曲が雨音のリズムになった。

雨音をギターで表現したらこうなるといった実に素晴らしいフレーズで、後に俺はこの奏法を

NAKASHIMA-1

と名付けた。


LOCAL K.K - Follow Through

 

後日談だが、雨音のリズムを聴いた中島キオは曲を気に入りフレーズをパクって曲を作っている。パクらせといてそれをパクるという珍エピソードだ。

別れた彼女とよりを戻すような、全力で投げた球が壁からはねかえって来て見事にキャッチするような感じである。

 

さて、曲の話をしよう。

雨音のリズムは謎のコード二つのみ(コードネーム不明)で形成された奇妙な曲だと思う。

俺の勝手な美学として

曲のコードは少なければ少ないほどカッコイイ

ってのがあって、この曲はNAKASHIMA-1 奏法を用いた2コードのみの潔さを気に入っている。


今村 竜也 「雨音のリズム」

コチラが当時一生懸命つくった動画。

手作り感に溢れている。

自身この薄暗いジメッとした音、映像をとても気に入っている。

 

この映像を発表して2年後にアルバム「生活の音」発売。

バージョンにドラムを叩いてもらい収録されている。

雨音のリズム

雨音のリズム

  • IMAMURA TATSUYA FOLK EXPLOSION
  • J-Pop
  • ¥153
  • provided courtesy of iTunes

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歌詞

雨音のリズム

作詞作曲:今村竜也

 

雨がシトシト降って来て

乾いた髪が濡れてきて

今日一日のいやな事

全部忘れてびしょ濡れの俺がいるよ

 

行き交う人は傘さして

どこへ行くやら帰るやら

学校帰りのあの感じ

道の傍らカエルやら

 

思い出すよ 俺がいるよ

雨音のリズム

 

誰が見てるかは分からない

何を思うかも分からない

やりたいようにやればいい

自分自身のステップで

 

踊り狂う俺がいるよ

雨音のリズム

 

踊れ 踊れ 踊れ 踊れ 踊れ

 

2回目のAメロで

どこへ行くやら帰るやら

道の傍らカエルやら

のカエル韻踏みが絶妙だと自負している。

3回目のAメロの歌詞も村上春樹ダンス・ダンス・ダンスみたいで

気に入っている。

 

雨音のリズム

雨音のリズム

  • 今村竜也
  • ロック
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

music.apple.com

最新アルバム「無観客試合」には弾き語り一発録りバージョンで収録されているが、

コチラもピリピリしていて良い。

ちなみにアイフォンのガレージバンドで遊んでいた時につくったバージョンもある。


今村竜也 / 雨音のリズム 2017 remix ver

これも気に入っておりライブなどでたまにやったりする。

 

さてそろそろまとめよう。

雨音のリズムはこの先もライブで歌っていくであろう今村竜也の代表作なのだが、

中島キオのセンスある奏法

NAKASHIMA-1

がなければ生まれなかった曲であるという事を書きたかった。

ありがとう。ありがとう。

彼は今シンガーソングライターとして活動している。

その才能を遺憾なく発揮し、俺にどんどん影響を与えてほしい(もうパクりません)

 

幽霊船の彼女

幽霊船の彼女

  • provided courtesy of iTunes

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整えてGO

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3月7日曇り

今日は5連勤を終え休みだった。

5連勤は疲れるなあなど思ったが、そもそも世の中のサラリーマンなどは5連勤が当たり前なのだ。

俺はサラリーマンだが、一般的なサラリーマンとは若干生活サイクルが異なる。

2〜3日働いては休みみたいなシフトが主なので5連勤はちょっとした重労働みたく感じてしまう。

まあぬるま湯に浸かっているのだろう。

休みって事でいつもの洗い物を終え、上履きやら靴やらを洗い、昼飯を食ったら髪を切りに行った。

1000円床屋だ。

順番を待っていると髪を切り終えたジジイが

「領収書お願いします」と言ってた。

店員が「宛名はどうされます」と聞くと

「順番待ちリストに書いた通り、社名の(どうやらアルファベットらしい)DとTの間はちょっと空けて、〜様に文字がかからないように、そしてなるべく小さな文字で書いてもらえますか、お願いしますね」と言っていた。

おかしな奴だなと思っていたら案の定、店員が書いた領収書をみて

「DとTの間が空いてないじゃないか、そして文字も大きすぎる。なんで言った通りに書かないんだ」と切れ出した。

店員は「あ、申し訳ありません。書き直します」と書き直したが、

「DとTの隙間が狭すぎるじゃないか、なんで言った通りにやらないんですか、おかしいじゃないですか」とさらに切れ出した。

店長らしき店員が

「じゃあ、お客様、自分で書いていただけますか」と言うと

「自分で書くとかそんなんじゃなくて、なんで私が言った通りの事が出来ないんですか、こんなくだらない事で時間を使いたくないんです。もう一度書き直して頂けますか、いい加減にしてください」と更にキレた。

俺は靴を脱いでそのジジイの頭をひっぱたいてやろうかとも思ったが静観した。

3度目の領収書も若干気に食わなかったみたいだが、

「もうこれでいいですよ。私もこんな事言いたくないんです。言われた通りにDとTの間を空けて小さな文字で書いて、様にかからないように書いていればこうならなかったじゃないですか、ほんとお願いしますよ。次回からはちゃんとしてくださいね」

と言って出て行った。

そのジジイは丸坊主だった。

バリカン買えば自分でできるだろうと思ったが、自分でできない事をお金払ってやってもらっとるのだから敬意を表さなければならないと思う。

金払ったから全部いう事きけみたいなのは違う。

しかし世の中こんなんばっかりやなあと思い見ていた。

 

先日ヨッチンに「今村さん、髪型サモハンキンポーみたいですね」と言われたので切りに来たのだが、くその果てのような茶番を見せら色々と考えさせられた。

髪型はスピッツのようなイメージで切ってもらった。

1000円なのでスピッツにはならなかったが、サモハンではなくなり満足した。

家でゴロゴロして4ヶ月ぶりに銭湯に行った。

5回水風呂をキメた。

やはり家の水シャワーとは破壊力がまるで違う。俺は僧侶のような気持ちになった。

その帰り道、粗大ゴミ置き場に良いテーブルが捨ててあったので拾って帰った。

テーブルが欲しくてニトリやらなんやらを見ていた矢先だったので嬉しかった。

神様はいるのかもしれないなと思った。

 

競馬のことしか考えなかったここ数ヶ月だったが、それに距離を置くことで日常に潜む面白い風景がよく見えるようになって来た気がしている。

俺の感覚は研ぎ澄まされている。

研ぎ澄まされているから見逃していた面白い風景が見えてきたのかもしれん。

そこら中にそれはあるのだ。

 

整えていこう。

本日の一曲はコチラ。

今村竜也で「SHADOW」

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IMAMURA NOT DEAD

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先ずは明けましておめでとう。

今年も引き続きよろしくお願いします。

 

さて、俺は去年末のワンマン以降、音楽的な事はなーんもしていない。

勿論ブラックバード化しているのでギターのスリーフィンガーピッキングの練習やらは生活の中でやっているが今年のライブの予定立て含めた自己顕示活動には一切手をつけていないのだ。

これは世の中のコロナワールド云々関係なくちょっといじけていたのかもしれん。

ちょっとじゃなくて大分いじけていたんだな。

こんな負の考え方期間(どうせ俺の事など誰も見てねえよ的な)は自己顕示活動をやっていても月に一度ほどやって来るもんだが、今回のそれは長かった。

毎日ぽっかり穴が空いたような生活をしていた訳ではない。

大好きな競馬を朝から晩までやっていたのだ。

おかげさまで競馬の予想の精度は去年とは比べものにならないほど上がったのだが、まあそれは趣味のお話だ。

やはり自己顕示活動をしていないと俺はただのギャンブル好きのおっさんである。

コロナワールドでライブは暫く自粛にした。

やっても見に来てくれるお客さんも、箱のスタッフもなんらか気を使いながらになる。

何より俺自身が一番気を使ってしまうのだ。

誰にも気を使わず活動をするってのは今どんな事だろうかなどと考えているが、どれもこれもライブ活動ほどのテンションに至らず今ここにいる。

以前からシーボーに言われていた「もっと気楽に音楽を発信するべきだ」との言葉が今一番フィットするかもしれん。

なんかやらんと始まらないのだが、ここまで自己顕示欲が薄くなったのは45年の人生で初めてかもしれん。

なんかよう分からんくなって来たのでアレだが、結局のところ俺はまだ生きてるぞって事が書きたかったのかしら。

俺を個人攻撃して来る輩も出てきたのだが、その輩がもっとムカついて俺の事が気になり過ぎてムカつきパワーを駆使してサブスクを毎日聴いてそれが収益になるほどのもんをやればいいと思っている。

 

まあしかし今の状況についてこれはこれで楽しいなあなどと危機感などは一ミリくらいしか感じていない事も記しておく。

 

今は毎日がおもしろ可笑しくあればそれで良い。

 

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Blackbird以前、以後

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Blackbirdを自分の物として歌えてこそ真のシンガーである。

太字にするとそれらしく聞こえるが、これは俺の持論である。

blackbirdはかの有名なビートルズの曲である。

「おう知っとる知っとる」と言いつつ「さてどのアルバムに入っていたかな」と先日CD棚をゴソゴソと漁った。

ホワイトアルバムに入っていた。

知っていたしいい曲だなあと思っていたのだが、この曲を弾いて歌ってみようと思ったのはほんの3日前くらいの出来事だ。

俺は元々ベーシストだったのでギターの基礎を知らずここまできたのだが、ここらで一丁ちゃんとギターを弾きたいと思ったのだった。

ボーカルとして大分歌って来たが、それもまた基礎を知らずここまできた。

それでいいじゃないかと言えばそれまでだが、俺はなぜか冒頭に書いた通りこの曲を完璧に自分の歌として歌う事こそ今やるべきことのように思っているのだ。

要はとり憑かれた。鳥だけに。

俺は3日前くらいにblackbirdになった。

150回この曲を聴いて、何時間もこの曲のギターの練習をしている。

やればやるほどこの曲の良さが分かって来る。

なぜ今の今までここまでこの曲に執着しなかったかは分からん。

そしてなぜこのタイミングで、45歳にしてこの曲に取り憑かれたかも分からん。

分からんが、この曲に今俺は入り込み俺自身がblackbird化している。

いろんなシンガーが歌うblackbirdを聴いては都度感動する。

なんていい曲なんだろう。

そしてそれぞれなんていい歌歌ってるんだろう。

俺はこの先どれくらいblackbirdのままでいるか分からんが、今月のライブまでは少なくともこのままだろうと思う。

blackbirdになる以前には見えなかった景色が見え、聞こえなかった音や声(それは主に鳥のさえずり)が聞こえる。

そしてそれらが聞こえると俺も鳥になり共鳴するのだ。

 

今日は休みだった。

午前中は昨夜の酒のこりをヒシヒシと感じながら水沢競馬などやりゆっくりと過ごす。

鳥になっているので馬券が外れても何も思わない。

悔しくないのだ。

そんな事にお金を費やすのはバカのやる事だと判断し(競馬がではなくこのシチュエーションでの投資がだ)昼飯にはつけ麺春樹のつけ麺をチョイスした。

いつもより小麦の風味を感じる。いい感じだ。

このまま俺は疲れた体を、いや羽を癒すべくママチャリで天国、高井戸温泉美しの湯へ。

神田川沿いをblackbirdを鼻歌で歌いながら漕いだ。

高井戸温泉は湯が濃い。

濃い湯とえらく冷たい水風呂を行き来しサウナを挟む。

完全なリラックス状態となる。

帰りも神田川沿いを漕ぐ。杉並の街並みは15時の段階で夕焼け一歩手前のカサっとした風景だ。

この景色は本当にたまらない。俺はこのカサっとした夕焼け前の時間帯の景色が好きだ。

西日に照らされ軽い足取り、いや疲れの癒た翼で俺は家へと飛んだ。

家に戻り15分ほど昼寝をしてblackbirdを歌いそして末っ子を保育園に迎えに行った。

 

俺は必ずこの曲を自分の歌にするのだ。

今は曲をつくるだの云々よりそれが一番の生きるモチベーションになっている。

blackbird以前と以後では俺はまるで別人なのだ。

 


Paul McCartney - Blackbird (Abbey Road studio LIVE)

 

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今村竜也のライブ情報
 
◻︎12/19(土)
◻︎下北沢ちょ美ひげ
◻︎今村竜也の年忘れ感謝祭2020
◻︎出演:今村竜也
◻︎OPEN 19:00 / START 19:30
◻︎CHARGE : ¥2,500-(+1D) 
◻︎着席15席限定
◻︎有料配信あり/配信チケット¥500※ツイキャスプレミアム
 
配信チケットの購入、閲覧は⬇︎

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今村竜也の楽曲は⬇︎

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我が骨はターフに埋めよ

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ほんものの自己に立ちかえることは、人間の自己というものの完全性をひきうけることである。

そこには、わたしたちが隠したがる暗い側面もふくまれているかもしれない。

人間は善なるものに惹かれる存在だとおもわれがちだが、じっさいに惹かれているのは善でも悪でもなく真正なもの、ほんものなのだ。

その証拠として、わたしたちは余分な飾りをつけて真の自己を隠している人よりも、偽りのない人に好意をいだく。

エリザベス・キューブラー・ロス著「ライフレッスン」より抜粋〜

 

音楽を含める何らかの表現をする時、最も大事な事は他人の目などを気にせず純粋に湧き出たその人の表現をする事だ。

それを見せられた時、俺の心は激しく揺さぶられるのである。

手法は問わない。

純粋な表現はそれが人の気分を害する類のものであっても(例えばそれを見た時にものすごく腹がたったや、ものすごく悲しくなったなど)良いと思っている。

圧倒的なものを見て激しく動揺する事が生きている実感だと俺は思っている。

日々の生活の中でそれらに偶然出会う事もあるし、映画やライブなど「体験」するべくその現場に足を運ぶこともある。

金を払えば必ず出会えるというものでもなく、重要な事はタイミング云々含め、引っかかった事はなるべくスルーせず積極的にそれを体験するべく足を運ぶ、参加する、観る、聴くをする事だと思っている。

日々の暮らしの中にはこうした「引っかかる事」ってのが潜んでいる。

ぼけっとして見過ごす事が己にとって最大の損であり、引っかかってそれらに触れて心がガクガクと奮い立つ事が最大の得であると思っている。

得を積む=徳を積むである。

 

さて、これは俺が競馬との決別をいとも簡単に撤回した言い訳をしたく書いとる訳ではない。

俺はこんな人間なんすよってな類の自己紹介かもしれない。

昨日は正しいと思っていた事が今日は間違っていると思うようになったり、

辞めると言ったと思ったらあっけなく再開したり、

人の影響をすぐ受けたりと、俺という人間は全く実態をつかむ事ができないなと日々思って来た。

 

自分で自分を説明する事は困難だがこの困難な何とも矛盾した複雑な人格が俺なのだと最近になってようやくわかって来た。

そしてその実態を掴めない俺が心が震える出来事やら何やらを経てそれらを歌詞にしてメロディーつけて歌っとるって事が何とも愛おしく思えて来た。

これはなんかオレオレ俺最高的な感じに聞こえるかもしれんが、俺はやっと45歳にして俺を許す事ができたのだと思っている。

俺のつくる曲は俺にしかできん。

人がつくる曲は人にしかできん。

自分のヘボさを受け入れて認めてやったらこの曲達が何とも尊く儚いもんやなあと思えて来たのだ。

こうする事が正しいって事を俺は馬券で学んだと思っている。

話が急ですな。

馬券ってのは馬柱(出走する馬達の過去の成績、人気、血統、調教の状態が集約された表)をみて予想するのだが、馬券プレイヤーはそれぞれ予想のスタイルってのを持っている。

過去の競走成績が一番わかりやすいが、過去に良い走りをするからと言って今回良いかというとそう単純ではない。

俺も色々な要素を取り入れ予想するのだが(競馬については別の記事でゆっくり語ろう)、俺が一着になると予想した馬の人気が無い事が多い。

人気っちゅうのはマジョリティ指数である。

いよいよ馬券を買うってな時にこの人気ってのが邪魔をする。

俺の指名したこの馬はこんなに人気が無いが果たして本当に指名して良いのだろうか

この心境になり指名馬を人気のある方にチェンジし何百回馬券を外しただろうか。

過去の快進のヒット馬券はこのマジョリティ指数に殺られる事なく、自分の予想を信じた際に発生するのだ。

これは先に書いた事と見事にリンクしている。

自分を信じた者だけが馬券をとる事ができ、表現活動も人々の心を揺らす事ができるのだ。

 

これが書きたかった。

これが書きたかった。

 

俺は今、ミュージシャンとして競馬プレイヤーとして、とてもリラックスしているのである。

 

※因みに本日の歴史的なジャパンカップトリガミ(馬券は当たったが収支はマイナス)だったが、とても清々しい。

 

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◻︎12/19(土)
◻︎下北沢ちょ美ひげ
◻︎今村竜也の年忘れ感謝祭2020
◻︎出演:今村竜也
◻︎OPEN 19:00 / START 19:30
◻︎CHARGE : ¥2,500-(+1D) 
◻︎着席15席限定 御来場予約→https://imamurasyouten.wixsite.com/imamuratatsuya/contact
◻︎有料配信あり/配信チケット¥500 配信閲覧/チケット予約→
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GOOD LUCK!

この楽曲は恐らく2001〜2002年につくったと思う。

俺の実家は福岡の団地だ。

4階の8号室、408号室がそれだった。

六畳、四畳半、三畳の部屋に加え四畳半のキッチン。そこに父、母、弟、妹と暮らしていた。

風呂にはシャワーなど無く、便所には換気扇代わりに風呂場に続く通気口があるだけだった。

当然俺には一人部屋などは無く、弟との相部屋が基本だった。高校受験の時のみ三畳の部屋を一人部屋として独占できた。

親父は愛煙家で、家の中どこでもタバコを吸っていた。

親父が入った後の便所はタバコの煙が充満しており、今でも便所に一人座っているとその時眺めていたヤニだらけの壁やタバコの匂い、灰皿の感じなどを鮮明に思い出す。

そんな団地がある日全面改修するとの話を聞いた。俺が上京して数年の頃だ。

各階に8戸あったのだがそれらを6戸にし、それぞれの間取りを広くするとの事だった。

当時実家に暮らす親父や母ちゃん、弟は喜んだ。しかし故郷を離れ上京した俺は喜べなかった。

生まれ育ったあの408号室が無くなる。

それは俺が幼い頃から慣れ親しんだ実家が消滅する事だった。

形あるもんはそのうち無くなるし、人はいつか死ぬってのは理解していたのだが、実際自身に降りかかるととてもとても寂しい気持ちになったのだ。

当時俺はHEART BREAK KILLERS というラモーンズとハートブレイカーズブランキージェットシティとJET BOYSを合わせたイメージのバンドをやっていた。

ラモーンズのBonzo Goes to Bitburg みたいな曲をつくりたいと思っていた。

 


Ramones - Bonzo Goes To Bitburg (Official Audio)

 

そんな時、サビのメロディーが降りて来たのだが、そのメロディーに語呂合わせした言葉が

サヨナラ

だった。サヨナラから連想する歌詞を色々想像したらこんな歌詞がピタっとハマった。

サヨナラ、サヨナラ街よ歩き疲れた俺もうそこにはいない 

頭の中はリニューアルされ消えゆく我が実家、団地の408号室の感じでいっぱいになった。

消えゆく実家の歌にしようと思った。

当時やってたバンドには全く合わない歌詞の世界観だったと思う。

しかし俺は形あるもんはいずれ消えるっちゅう物悲しさというか切なさを歌詞にしたかったのだった。

 

GOOD LUCK!

 

涙は流された

君の為に歌おうか

よくある雨降りの話でもしながら

それならそれで素晴らしい風景

サヨナラ、サヨナラ街よ

歩き疲れた俺もうそこにはいない

 

階段の螺旋を登れば

見えてくるそういつもの風景

見下ろす街並みは人混みに染まり

そうそれを上から見下ろす風景

ルームナンバー39-408

忘れないでくれよ俺が帰る場所はそこさ

見下ろす街並みはオレンジに染まり

忘れたくない夕暮れの風景

サヨナラ、サヨナラ街よ

歩き疲れた俺もうそこにはいない

 

サヨナラ、サヨナラ

サヨナラ、サヨナラ街よ

歩き疲れた俺もうそこにはいない

サヨナラ、サヨナラ街よ

疲れた俺もうそこにはいない

 

4階の踊り場からみる風景、それは今もそこに行けばみる事ができる。

帰郷した際は必ずその踊り場に行き通りを走る車やら、遠くに見える山やら、人のざわめきを数分ぼけっとしながら眺める。

しかしこの歌詞にある風景ってのは中高生くらいに眺めた風景。

それらを想像しながら歌詞を書いた。

ルームナンバー39408 忘れないでくれよ俺が帰る場所はそこさ

見下ろす街並みはオレンジに染まり 忘れたくない夕暮れの風景

ここが自分で気に入っている。

もう今となってはわが実家39棟の408号室は存在しない。

でも俺の故郷は39棟408号室であり、それは心の中にまだ存在するのだといつも思っている。

 

この曲は作ってから今まで全てのライブで歌って来た。

レコーディングも5回やっている。

せっかくなので全ての音源をここに添付しよう。

楽曲がどう変わっていったのかが面白い。

THE HEART BREAK KILLERS 時代


THE HEART BREAK KILLERS/GOOD LUCK! 2004 rec

 


THE HEART BREAK KILLERS/GOOD LUCK! 2006 rec

 

 PLEASANT TAP 時代


PLEASANT TAP『来るべき世界vol 4』2010

 


PLEASANT TAP 「GOOD LUCK」

 

IMAMURA TATSUYA FOLK EXPLOSION 時代


IMAMURA TATSUYA FOLK EXPLOSION / GOOD LUCK! 【OFFICIAL MUSIC VIDEO】

  

 

今村竜也 時代(現在)


今村竜也 「GOOD LUCK!」向井秀徳:REC・MIX: MATSURIスタジオ

 


今村竜也 / GOOD LUCK! LIVE AT 新宿ロックンロール以外は全部嘘 3/15【OFFICIAL LIVE VIDEO】

 

GOOD LUCK!

GOOD LUCK!

  • 今村竜也
  • ロック
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

 

 

いやあ、これだけGOOD LUCK!が陳列されるとものすごく幸運が訪れそうだ笑

最後にこの曲名についてだが、昔住んでいた部屋で曲が出来上がった時曲名を何にしようかと考えていて、パッと見上げたらJRA安田記念のポスターが貼ってあって(永瀬正敏氏がやっていた頃のポスター)、そこに「GOOD LUCK!」って書いてあったからこの曲名にした。

何でそれが良いと思ったのかはわからん。わからんがピピっと来た。という訳で第一回目のセルフライナーノーツはGOOD LUCK!でございました。

 

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今村竜也ライブのお知らせ
 
◻︎12/19(土)
◻︎下北沢ちょ美ひげ
◻︎今村竜也の年忘れ感謝祭2020
◻︎出演:今村竜也
◻︎OPEN 19:00 / START 19:30
◻︎CHARGE : ¥2,500-(+1D) 
◻︎着席15席限定
◻︎有料配信あり/配信チケット¥500※ツイキャスプレミアム
 
 

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